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ステンドグラス制作への技術とこだわり
ガラス
エリ ステンドグラスで使用しているガラスは主にアンティークガラスです。
「アンティークガラス」とは、古いガラスという意味ではなく、職人が吹きガラスの技法で作るハンドメイドのガラスのことを指します。
手作りならではの宝石のようなきらめきがあるテクスチャと繊細な色の変化、表情の豊かさがあり、アンティークガラス越しに見る風景は筆舌に尽くしがたいほど美しいです。
私自身、ステンドグラスの道に進もうと決めたのはアンティークガラスの美しさに心を奪われたからでした。
- アンティークガラスの
美しいきらめき
- アンティークガラスならではの
地面に映るキラキラとした模様
- 繊細なグラデーションも
美しく、色の種類も豊富
アンティークガラスはハンドメイドのガラスのため、1枚のガラスの中に、例えば中央部分はグラデーションが美しくきらめきも素晴らしいが端の部分はテクスチャも薄く色の表情も乏しい、などのムラがあります。
もちろんガラスの端からカットしていった方が材料費も抑えられ無駄なくガラスを使うことができますが、当工房では制作するパネルに一番ふさわしい部分を選んで贅沢にカットしています。
最高級のガラスを使用したからと言って必ずしも上質なものが出来上がるというわけではなく、色遣いやデザイン・ガラス選び・強度など全てがそろって初めて「本当にいいもの」が出来上がるのだと考えていますが、本当にいいものを作るために妥協せず自分が心から美しいと思えるガラスで作品を作り上げる、その心を当工房は大事にしています。
デザイン
当工房がステンドグラスのデザインをするに当たって大切にしていることは、実際に取り付ける空間にそのステンドグラスが自然に溶け込み、それでいてさり気なく特別さを感じさせてくれるようなデザインにすることです。
この心がけを軸に、ご依頼者様のご希望のイメージをお聞きしてデザインします。
デザインは最初に2~3パターン提出致しますが、その中に気に入ったものがなければ、納得のいくものになるまで新しく他のデザインを提出します。
また、お客様のご要望と違うイメージのデザインをプロの視点からご提案させて頂く場合もあります。
また、ステンドグラスの美しさは設置場所や光の入り方にも大きく左右されますので、「この光の入り方ならどんなデザイン、どんなガラスが合うか」「周りのインテリアに調和するように仕上げるにはどんな色遣いにすればいいか」、そういった事を細かく丁寧に考えます。
「エリ ステンドグラスならでは」のデザインで、ステンドグラスの魅力をお伝えできれば嬉しいです。
※当工房の作風とあまりにもかけ離れたデザインのオーダーは場合によっては辞退させて頂く場合があります。予めご了承下さい。
強度
「上質なステンドグラス」とは良いガラスを選び洗練されたデザインであることに加え、強度にもしっかりと気を配って制作されたものを指します。
当工房ではパネルにはホビー用のコパーテープ(主にランプや小物等に使う)は使用せず、強度のあるケイムを使用してしっかりと組んで制作しています。
デザインの時点でガラスに負担がかかるような割れやすいデザインはしない、たわみの原因となるためガラスカットは型紙と誤差のないのないように丁寧に正確にカットする、強度を出したい所は真鍮入りのケイムで組んだり真鍮のバーで補強する。どれも基本的なことですが、とても大事なことです。
機械ではなく人の手でひとつひとつ丁寧に作り上げるものだからこそ、いつまでも美しいと思ってもらえるように丈夫に制作しています。
ステンドグラスの作り方
1.取り付ける場所の確認
実際にステンドグラスパネルを設置する場所を確認し、寸法を測ります。
デザイン作業に入る前に光の入り方や周りのインテリアのこと等をしっかりと頭に入れておかないと、取り付けた後になって「ステンドグラスの魅力が最大限に発揮されてない仕上がりになってしまった」という事態になってしまいます。
2.デザイン
ご依頼者様のご希望のイメージを聞き、事前に確認した設置場所の空間に調和するようなデザインを考えます。 この時点で使用するガラスも選びます。
3.型紙
デザインが決まれば型紙作りです。
特殊なハサミで切っていきます。
4.ガラスカット
作った型紙にピッタリ合うように正確に丁寧にガラスをカットしていきます。
正確にガラスをカットすることはとても集中力を使う作業ですが、この作業を丁寧に行わないと強度のあるステンドグラスにはなりませんので、何回も型紙とズレていないか確認しながらカットします。
カットしたガラスと型紙に数ミリ誤差があってもごまかしながら組むことは可能で、また、完成してしまえばステンドグラスの知識が無い人が見てもどこに悪い部分があるかもわからない仕上がりになります。
しかし、見た目はわからなくても正確にカットされていないガラスのステンドグラスは強度が弱く壊れやすい作りになってしまいます。
「見えない所までしっかり丁寧に正確に」。基本的なことをきちんと行っていればいつまでも大事にしてもらえるステンドグラスになるはず、当工房ではその気持ちを常に心に置いて制作しています。
5.色検査
カットしたガラスをデザイン通りに並べ、自然光でチェックします。
イメージに合わない部分、色が強すぎる、または薄すぎる部分など、納得のいかない部分は切り直します。
6.ケイムで組む
正確にカットしたガラスをケイムで組んでいきます。
ケイムはしっかりと隙間無く組むことが重要です。
ガラスカット同様、少々隙間ができたままでも最終的にはハンダの溶接で隙間を埋めて誤摩化せば素人目ではケイムがしっかり組まれているのか否か全くわからない仕上がりになりますが、隙間ができたまま組んだステンドグラスでは強度が出ず、ずっと長く美しいと思ってもらえるようなものにはなりません。
正確なガラスカットも正確なケイムの組みも、仕上がってしまえば見えない部分ですので、きちんと信頼できる工房かどうかをご依頼者様が見極めることも大事です。
7.半田付け
ケイムの接点を半田付けしていきます。
ケイムの内側に半田が漏れてしまわないよう、半田付けする接点の全てに紙を差し込んでから半田付けを行います。
8.パテ
当工房で作ったパテを埋めていきます。
パテをどれだけしっかり入れられるかということも強度に大きく関わってきますので、指とヘラの両方で丁寧に入れていきます。
9.クリーニング
ガラスの汚れを綺麗に掃除して乾燥させて完成です。
ステンドグラスの設置場所について
ステンドグラスは窓やドアにはもちろんのこと、間仕切りや欄間など様々な 場所で楽しんで頂けます。
ご新築やリフォームだけでなく、ご自宅の窓などに後から取り付けることも可能ですので、まずはお気軽にお尋ね下さい。
制作期間について
制作期間はサイズやデザインによって異なりますが、お渡しは2ヶ月~3ヶ月を目安にしております。
デザインお任せの場合は早めに仕上がることもありますので、お急ぎの際には一度ご相談ください。